会場は東京女子体育大学。ひさしぶりの対面開催。午前中は若手の会の「Kinoveaを活用した動作分析」があったのだが申し込むのを忘れたorz
大会抄録集がPDFのみで冊子がないのは、やっぱりつらい。結局PDFはぜんぜん読んでない。冊子は復活してほしいなぁ。
昨年オンライン開催の冊子は受付のときにもらえたけど、今年のはPDFのみと書いてあるしな。
======== 2022年10 月 8 日 (1日目) ========
たぶん初めて立川駅で乗り換え、南武線にのって西国立下車。
ゆっくり歩いて10分くらい。初日は正門から。
受付。
電源延長ケーブルはもっていったけど床コンセントはなく壁コンセントしかなかったのでノートPC利用はあきらめ紙ノートでメモとり。
カメラはGH6、レンズは7-14mm/F4.0なので前の方に着席。
開会式
基調講演 パネルディスカッション 「水泳トレーニングの科学:質と量の捉え方」
- 講演者
- 平井 伯昌 東洋大学水泳部監督
- 佐々木 祐一郎 中京大学水泳部コーチ
- 司会者
- 野口 智博 日本大学
- なぜ練習時間が2時間なのか? 2時間をうめるための練習メニューになってないか?
- テーパー期前にレーススピードでどれだけの量を泳げているか?
- ISLに参加して帰ってきたら(練習ができないので)キャパシティがだいぶ落ちて帰ってきた。
- EN2は減ってpolarized trainingになった。
-------- 口頭発表① 第1セッション【流体・抵抗】16:00--16:45 --------
演題1: クロール泳中の身体セグメントの姿勢・動作速度から抵抗力を考える圧力抵抗の観点から
〇成田 健造,加地 智哉,高木 英樹
- 準定常状態の解析だがシンプル。
- 加速度はみていない。
演題2: クロール泳中の前方投影面積の身体セグメント間比較
〇鷲野 壮平,吉武 康栄,加地 智哉,萬久 博敏,村井 昭彦
- デジタルヒューマンモデル。皮膚の伸びも計算しているので体表面がなめらかに動く。
- 体幹と上腕のCd値が大きい。
- 前からみて隠れた後ろは見えないものとして計算している。隠れた部分の計算はできる。
- 水面は平行としている。(実際には腰のあたりが窪むのではという質問に対して)
演題3: キック動作および泳速度変化に伴うクロール泳中の手部の推進力
〇加地 智哉,鷲野 壮平,角川 隆明,成田 健造,萬久 博敏,村井 昭彦,田巻 弘之
- キックをいれるとプルが弱くなるのはコーディネーションのせいかも?
- プル泳でローリング方向の力はどうなる?
-------- 口頭発表② 第2セッション【筋電・流体】16:55--17:40 --------
演題4: フィン使用前後における身体感覚と泳パフォーマンスの変化
〇須崎 友馬,山城 昌一朗, 下山 好充, 下門 洋文
- フィン使用後で感覚はよくなっている。
- 改善したのは速度と速度変動だけ。
- 速くなったのは足が回内するようになって効率が上がったから?
- フィンをつかうと反動が大きくなるので上半身の動きが改善されるのでは?
演題5: 男子大学競泳選手の水中平泳ぎキック中の足部流体力の特徴
〇千葉 海勝,久光 哲也,吉澤 大河,遠山 宜志,星川 慎吾,下門 洋文,下山 好充
- 回泳水槽ではなくプー=ルで測定
- 膝が伸びるときの力積が大きい。速度はインスイープのときがいちばん速い。(0.04秒差)
- Q: 水面ではなく水没した状態で測っているので違ってくるのでは?
- A: あまり差はなかったとおもう。
- グライド局面で流体力が出ているのはなぞ。
- カメラ1台でキック1周期をとらえるのがたいへんだった。
演題6: クロール泳における泳動作,手部推進力および上肢筋活動の関係に関する事例研究熟練度の違いによる比較
〇奥田 さわ,甫本 研太,中園 優作,山川 啓介,仙石 泰雄
- 上級者は早くから大胸筋・広背筋が使われている。
- Q: ハイエルボーの何がよい?
- A: ハイエルボー以外も効いているけど、中級者はフィニッシュで上腕三頭筋が使われている。
======== 2022年10月9日 (2日目) ========
2日目は西門から。swex2日目は朝早いのでいつも眠い。
-------- 口頭発表③ 第3セッション【教育】9:00--10:00 --------
演題7: 水難事故防止策の一要因である安全な離水についての調査研究
〇鳥海 崇,藤本 秀樹,石手 靖
- safe exit
- 10cm以上の高さがある場合は待った方がよいといわれている。
- レジャーだけでなく水害の場面もある。
- ライフジャケットを着ていると厚みで壁から離れて上がりにくくなる。
- 女性は胸の厚みも。
- 壁が低い場合は関係ない。
演題8: ストローク動作習得を目指したエアスイム指導はクロールの泳技能を向上させる
〇杉田 渚颯,豊田 郁豪,富沢 恭子,山村 涼乃,森山 進一郎
- 水中で模範演技すると動作が水面上と水面下に分かれて生徒からするとわかりにくい → 陸でエアスイム
演題9: 課題解決型の水泳授業を目指した指導法の提案:エアスイムおよび仮想現実の活用事例から
〇森山 進一郎,佐藤 吉高,豊田 郁豪,石井 幸司,鈴木 直樹
- VRゴーグルがまだ目新しいのもあるが、VRの方が楽しいという感想。
- 溺れる心配がない、苦しくない。
- 全身が使えないというネガティブな意見も。
- 課題解決型学習
- 膝までプールにつかってVRエアスイムするとよいのでは?
演題10: 一斉指導の体育授業の中で,平泳ぎのキック動作はどの程度上達するのか?平キック体操の効果検証 その2
〇生田 泰志,森 大光
- あおり足を改善するための「平キック体操」
- 正しくキックできている人も平キック体操で改善された。
- パフォーマンスは改善されていなかった。
- 足が背屈したまま蹴り終り、足が伸びない生徒も。むつかしい。
-------- 口頭発表④ 第4セッション【生理学】10:10--11:10 --------
演題11: 「脳出血右片麻痺クライエントに対する水面ボール操作と水中自立歩行運動との相関性」について
〇水野 加寿,坂本 眞一郎
- リバビリで病的反射を抑制する。
- 水中でヌードルをつかってバスケットボールを押す。
- 押すことに集中することで自然と歩く。
- 15m歩かせる。
- ヌードルとバスケットボールをつかったのは、ほかのリハビリでつかっていたから。
演題12: 河川での水難における行動選択の違いが水難者の深部体温に及ぼす影響
〇渡邉 泰典,稲垣 良介,森山進一郎
- 子供の溺水は世界的な課題。溺水の半数は25歳以下。
- 浮いて待てが強調されすぎ
- コールドショックレスポンス
- 短時間なら動いて発熱させる。
- 長時間なら浮いて冷えないようにする。
- Q:匍匐前進だと発熱が少ないのでは?
- A:スパイダーウォークを指示した。安全のためクロールのかわりとして。
- 最初10分くらい動いて岸にたどりつけなかったら浮いて待つ
演題13: 片腕浸水時の浸水肢での低強度運動が運動肢の局所酸素動態に及ぼす影響
〇中岡 諒,金田 晃一,若林 斉
- 全身浸水だと成長ホルモンが出ないが、片腕浸水だと出る。
- 局所酸素動態が関係している。
- 主観的なキツさは変わらないが、HbO2が減っているので強度が上がったと考えた。
演題14: ウェットスーツ着用がオープンウォータースイミングのトレーニング中の体温動態に及ぼす影響ウェットスーツを用いたトレーニングの安全性検証
〇藤本 知臣,松浦 由生子,馬場 康博,原 怜来
- OWS: 水温は16〜31℃、距離は5〜25km、時間は1〜5時間
- 水温が低いときはウェットスーツを着てもよい。泳ぎにくいため着ずに泳いでリタイヤする選手も。
- ウェットスーツは慣れが必要だが、温水プール30℃では暑くて使えない。
- でも暑いとおもったらすぐ脱げば深部体温は下がる。
- 日本人選手はウェットスーツを着ない人が多い。
ポスター発表 ポスター自由閲覧時間・昼食時間
10月9日日曜日【ポスター発表】(発表 11:2011:50, 自由閲覧 11:5012:50)
演題1: クロールにおけるキック頻度の違いが自己推進時抵抗に与える影響
〇角川 隆明,甫本 研太,中園 優作
演題2: 熟練者と非熟練者における全力バタフライ泳中のコーディネーションの比較キネマティクスと筋活動の違いに着目して
〇西脇 怜奈,山川 啓介,仙石 泰雄
演題3: 水中ドルフィンキックにおける上肢周りで生成される渦の大きさと泳速度との関係
〇田中 貴大,橋詰 賢,栗原 俊之,伊坂 忠夫
- Q:モノフィンでは上半身を大きく動かすが競泳との違いは?
- A:上肢で生成された渦をうまく利用している可能性はある。
演題4: 水中ドルフィンキックにおける泳速度が高い泳者の足部の流体力学的特徴
〇古賀 大樹,中園 優作,角川 隆明,仙石 泰雄,高木 英樹
演題5: 跳躍高を考慮した競泳キックスタート姿勢における脚の前後配置がスタートパフォーマンスに及ぼす即時的な影響
〇尾関 一将,水藤 弘吏
演題6: 競泳平泳ぎのインターバルトレーニングにおける疲労がターンパフォーマンスに与える影響
〇貝桝 晴哉, 尾関 一将
- 関連研究でバタフライでターンパフォーマンスとタイムの関係は調べられているが、疲労でターンパフォーマンスが落ちるかは調べられていない。
演題7: 1500m自由形におけるストローク局面の指導方法への言及 2016年から2021年までのレース分析結果より
〇佐藤 大典,水上 拓也,草薙健太,高橋繁浩
演題8: パラ水泳タッピング初心者におけるタッピング技術の評価
〇谷川 哲朗,立 正伸,生田 泰志,片岡 裕恵
演題9: 水球ジュニア選手の水中および陸上におけるパフォーマンステスト
〇明石 啓太
演題10: スイムバランサー活用による学校での水泳指導法の可能性についての研究
〇篠原 健真,若吉 浩二,松井 敦典
演題11: 水中バランス補助ブイ装着が一般学生の泳パフォーマンスに及ぼす影響
〇若吉 浩二,渡邉 泰典, 森山 進一郎
演題12: 安定した呼吸を核とした水泳指導に関する実践研究
〇大庭 昌昭
昼休み
学内にコンビニもあるようだったが、もってきた粗食で飢えをしのぐ。
-------- 口頭発表⑤ 第5セッション【トレーニング・怪我】12:50o--13:50 --------
演題15: 競泳選手における高強度泳中のスイミングエコノミーと泳パフォーマンスの関係
〇金 載祐,村中 みいな,仙石 泰雄
- swimming economy: kcal/kg/km
- LTを越える強度でVO2定常状態はみられず。
- 競泳200mと陸上800mが近い。
- VO2maxは400mでは相関がなかったが、200mでは相関があった。
演題16: 競泳におけるインターバルトレーニング記録と100m泳記録の関係ゴールセットとスピードテストの計測記録に着目して
〇加納 聖士,成田 健造,萬久 博敏,和田 智仁
- y = 2x + 2 (yはレースタイム、xは50mトレーニングタイム)
- y = 1.65x + 10.8
- 女性の方が疲労からの回復が早い
- 小柳方式がもとになっているはず。
演題17: エリート競泳選手のクロール泳と背泳ぎ泳の筋シナジースイマーズショルダーの有無による比較
〇松浦 由生子,松永 直人,阿久澤 弘, 小島 毅,奥野 景介, 金岡 恒治
- 筋シナジー: 筋肉をグループにまとめて刺激する動き
- クロール: 体幹と上腕の協調性が重要
- 背泳ぎ: 肩甲骨と体幹回旋
- シナジーの総数が少ない方がうまいという理解
- スイマーズショルダー群はクロールで肩甲骨が挙上したままキャッチしているのではないか?
演題18: 腰椎椎間板ヘルニアに対して内視鏡下ヘルニア切除術を行った競泳選手の術後経過
〇浅井 玲央,辰村 正紀
- Love法(5cm切開)→MED法(内視鏡) で2.5ヶ月で復帰できるように
- 一流水泳選手の60〜70%が椎間板に変性がある
- 手術後トレーニングが再開するまでのあいだ上肢のトレーニングはしていないが、腰に負担がかからないなら何してもよい。
-------- 口頭発表⑥ 第6セッション【スタート・ターン】14:00--15:00 --------
演題19: ターン時の壁蹴り動作の失敗は水中ドルフィンキック中の泳速度変化にどのように影響するのか?
〇山川 啓介,西脇 怜奈
- しっぱいターン: 膝が伸びて足首だけで蹴る
- ターン後のドルフィンキックの速度と頻度は変わらず蹴り幅が狭くなった
- 壁を蹴るのに失敗しても5mで速度は同じになるので、あせらないのが重要。(もちろんタイム差は残る)
演題20: キックスタートパフォーマンスと足関節等尺性筋力との関係
〇山城 昌一朗,中村 雅俊,三瀬 貴生,下門 洋文,下山 好充
- スクワットにくらべてスクワットジャンプが苦手な選手は足底屈筋力が弱い?
- 底屈筋力と5mタイムは相関あり。
- 水平速度とは相関なし。
演題21: リレー種目において台上動作でレースタイムは短縮可能か?
〇星川 慎吾,遠山 宜志,吉澤 大河,久光 哲也,千葉 海勝,山城 昌一朗,下門 洋文,下山 好充
- キックスタート(KS)とアドバンスド・ステップ・スタート(AS)を比較
- ASはリアクションタイムが遅い。恐怖心を克服することが重要。
- KSもタッチするところが見えないので恐怖心はある。
- ASで前足をスタート台にかけなくてもいいという選手もいる。(ひっかけそこねる失敗の心配をしなくてもよい)
演題22: 水平および鉛直方向の跳躍動作における下肢キネティクスと台上スタート動作の関係
〇池田 祐介,奈良 梨央,馬場 康博,久光 哲也,山城 昌一朗,下山 好充
- 水平速度は後ろ足できまる
- タイムは前足の上向きの力
- 水平速度は膝下が前に速く倒れる人が速い。
- 後ろ脚の股関節トルクが重要
後援企業様 紹介
総会
表彰及び閉会式
来年は北九州にある九州共立大学で開催。